在宅医療でどんな科目を応需しているのか聞かれることもありますが、在宅医療は特定の科目ではなく総合になります。無菌調剤や終末期医療などにも対応します。また介護保険を用いることも多いです。外来ですと特定の診療科目が多くなる場合もありますが、在宅医療はその傾向が少ないです。幅広い科目や介護保険に関わることはスキルアップの魅力になります。また医療材料の取り扱いが多いことも学びの良い機会となります。終末期医療（緩和ケア）は、人の様々な価値観に触れ非常に感慨深いです。在宅医療は医療人として成長できる機会に溢れています。

在宅医療は私たちが訪問しますので、基本的に患者様をお待ちする時間はありません。訪問を計画的に行えば時間の目安も立てやすいです。また外来よりも薬剤の調達に時間的余裕が持てます。お待たせしたり再来局して頂くことへの精神的負担がありません。

（余談ですが、近頃話題のカスハラも受けたことがありません。）

ご家族や他の医療介護スタッフとのコミュニケーションが外来より多いので、患者様に対してより客観的な視点を持つことができ医療の視野が広がります。

在宅医療というと「最期をご自宅で」という終末期医療を連想する方もいらっしゃいますが、実際はご高齢で介護が必要になったり認知機能の低下により施設に入所される方が多くいらっしゃいます。施設は24時間体制でスタッフさんが常駐しているケースも多く、ゆえにオンコールは少ない傾向にあります。在宅医療のオンコールは病棟の宿直のように思われる方がいらっしゃいますがそうではありません。外来の輪番時や夜間休日対応と同じ程度と考えられます。